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寺内 正己*; 小池 雅人
no journal, ,
近年、デバイスの微細化や材料の複合化による新規高機能材料の開発においては、物質・材料の空間情報を伴った物性計測データを開発へフィードバックすることが重要である。中でも、物質の安定性や物性を支配する結合電子(価電子)の電子状態計測は極めて重要である。これまで透過型電子顕微鏡用として開発してきた分光器では1.2keVまでしか計測できなかった。この計測領域を2keV以上の領域まで広げることで、デバイス関連で要望の強いSi, W, Hfなどの元素や、Pt触媒やAu触媒の解析が可能となる。そこで、汎用のAuコート回折格子及びMo/Cを30周期積層させた多層膜回折格子を用いた分光系について検討し、試作を行った。この多層膜回折格子を用い、Pt-M発光のM線(2050eV)の半値巾で13eVを得ると同時に、M線(2127eV)の弱いピークも明瞭に観察できている。
山下 真一郎; 赤坂 尚昭; 西野入 賢治; 高橋 平七郎
no journal, ,
原子力機構では高速炉高燃焼度炉心用材料として改良SUS316鋼(PNC316)を開発した。PNC316とは16Cr-14Ni-2.5Mo-0.25P-0.004B-0.1Ti-0.1Nbの化学組成のもので、通常冷間加工度20%の条件で用いられる。照射特性評価のため、これらPNC316被覆管については、現在までに温度775905Kで最大照射量125dpaまでの照射試験を継続して行ってきている。本研究では、照射後試料の微細組織について注意深く詳細に評価した。針状析出物の幾つかを含む低倍像からは、析出物界面に付着する多くのヘリウムバブルが確認された。一方で、針状析出物の代表的な高分解能組織写真(数十nm長で数nm幅)からは、面心立方格子構造(FCC)の母相と析出物に明確な界面構造が示された。電子回折図形及び高分解能像解析の結果から、この特徴的な析出物はFeP型析出物であると同定された。TEM観察結果をベースに総合考察すると、PNC316内部に安定なリン化物が形成することで、これらリン化物がヘリウムバブルの効果的なトラップサイトとして作用し、バブル-ボイド変換期を遅らせていることで、優れた耐照射特性が発現しているものと考えられる。